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2015年7月21日 (火)

ギターを始めた初心者は譜面を読む練習が必要か? その1。

よく初心者の生徒から質問されます。
「タブ譜ではなく、五線譜の読譜は練習したほうが良いのか?」


専門学校の生徒から質問されます。
「仕事レベルではどのくらい初見で読譜できる能力が必要か?」


これらの質問に対する自分の答えはかなり矛盾したものになります。
何が矛盾するのか、少し考えてみたいなあと。
主観的な記事になります。笑
仕事レベルでの読譜についてはまず、読譜の仕事に自分が特化してないからなあ。
ここらへんについては又次回以降書きます。






まずはタブ譜と五線譜について。
もちろん五線譜で譜面を読んだり書いたりできれば非常に便利です。
これが中々取っ付きにくいといわれますが。




五線譜で読むメリット1
タブ譜のバンドスコア等をギターで読むだけなら五線譜の読譜能力は要りませんが、他の楽器の演奏をギターで読むには五線譜の読譜能力が必要です。
ピアノやサックスの譜面を読むことができれば、それらの楽器について書かれた役立つ情報をゲットできます。


五線譜で読むメリット2
タブ譜は字が細かいため、ステージで演奏するためにはあらかじめ覚えてしまう必要があります。
五線譜ならある程度ステージでも読める音符のサイズなので、読譜能力の高い人は演奏するべき音楽を完全に覚える必要なくステージに上がる事ができます。
場合によってはほとんど練習していない曲をいきなりリハーサルせずにぶっつけ本番で演奏することができます。


これらの点から、初心者には五線譜で読めるように練習した方がいいよ~って話します。








これが仕事レベルでは同じようなスタンスで考えません。むしろ逆だったり。






五線譜で読むメリット1がデメリットになる
他の楽器について書かれた役立つ情報も五線譜で読めればゲットできると書いたのですが、以前このブログで書いたように自分の耳で実際に採譜/耳コピした情報じゃなければ人にこうやれと言われたり教則本に書かれたフレーズなどは反射的に使えません。
なので五線譜で譜面を読める=情報を左脳で処理することになる=実戦で使えなくなる。というジレンマにハマることがあり得るのです。


スケールを速く弾ける事は大切か。1


スケールを速く弾ける事は大切か。2


ソロをとるためにスケールを速く弾ける事は大切か。




五線譜で読むメリット2がデメリットになる
読譜能力が高くなると曲を覚えずにステージで弾くことができると書きましたがこれが大きなデメリットになります。
本来なら曲を覚えることで表現できるようなダイナミクスや微妙なニュアンスの違いが譜面に書かれていなければ表現できなくなります。
同じセクションを繰り返す時、音源を覚えてしまうほど聴き込んだプレイヤーは1回目と2回目でわずかに演奏が変わることに気づけます。
完全に同じプレイにしないようにするのですが、読譜能力がある程度高いと、譜面に書かれていない音源の微妙なニュアンスの違いを把握しようと音源を聴き込むことなく曲を演奏してしまうことが多々あるように思います。
またある程度表面上譜面を読めるからとノーリハである程度観客にアラがバレないような演奏を繰り返すと、レコーディングなどのいざという時の本質的なクオリティまで下がってしまうように自分には感じるのです。






数多くの素晴らしいプレイヤーと共演しましたが、素晴らしいプレイヤーほど、演奏をなめたりせず事前の準備はしっかりします。当たり前ですが。


初見で8割程度のクオリティの人達がノーリハでヒヤヒヤな演奏をする場合と、初見で完璧に読めるレベルの人達が更に事前に練習しまくってリハーサルまで繰り返して演奏する場合では、どちらの場合の演奏クオリティが高いかは明らかです。


自分がライブレコーディングなどで一緒に演奏するプレイヤーは後者ばかりです。
当たり前ですがレコーディングには経費もかかります。リリースを考えた仕事としての演奏ではそういうアプローチの人と一緒にやりたいのです。笑


というわけで初見の能力はそんなに高くなくてもいいから、それよりも完全に曲に入り込めるように聴き込んで曲を把握し、練習しまくるプレイヤーを目指して欲しいというのがホンネです。


そういうアプローチを繰り返していくうちに読譜能力なんて勝手に上がるのではないかと思います。


もちろんリハーサルシチュエーションでは譜面を読む能力が高ければ高いほどリハーサルがはかどりますが。






なので結論としては、
初心者には早く譜面を読めるようになれっていいつつ、レベルが上がれば上がるほど譜面を読むな、譜面で考えるなって言ってしまうのです。笑
メセニーもマイクスターンもスコヘンも譜面をよみながらライブってしないですね。

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