ソロをとるためにスケールを速く弾ける事は大切か。その3 ストーリー編。
ギターでアドリブソロを取りたい初心者の練習方法について何回かにわけて書いています。
スケールを練習するだけではなく、フレーズを練習すること。
スケールをどれだけ速く弾けるように練習してもアドリブをとることが難しい理由。
スケールを速く弾ける事は大切か。その1
スケールではなくフレーズを手に入れなければならない。
それもフレーズ集からでは無く、自分で採譜/耳コピしなければならない理由。
スケールを速く弾ける事は大切か。その2
それらの事を生徒と話しているとよく聞かれるのが次の質問です。
「かっこいいと思ったフレーズだけ採譜すればいいのか、ソロを全コーラス採譜したほうがいいのかどっちなのか」
ソロを全コーラス全編採譜するほうがよいのですが、はじめはそうするように生徒に伝えても、一部しか採譜しないことがよくあります。
その結果生徒がかっこいいと思ったフレーズばかり採譜していくと、ある傾向が表れます。
かっこいいと思って採譜したフレーズが、ソロのストーリーの盛り上がった派手な部分ばかりになるのです。
ソロが盛り上がった状態で使われているフレーズばかりなので、ストーリー的に全編派手に盛り上がったものにしかなりません。
静かな序盤に弾くためのアイデアがないのです。
ソロをかっこいいものにするためにはフレーズをつなげてストーリーを作らなければなりません。
ソロ序盤の音数の少ない状態で使われるフレーズ。
盛り上がっていく過程で使われる中盤のためのフレーズ。
最高に盛り上がった状態で使われるここぞとばかりのピーク力の高い派手なフレーズ。
ストーリー展開のどこにいるのかで使うフレーズが変わってくるのです。
日本の言葉では起承転結といったものもストーリーを面白くまとめるための一つのオーソドックスな手法です。
また自分が学んだアメリカのMIでは「HELLO TO GOOD BYE」と説明されていました。
「こんにちはって挨拶してから、会話の本題にはいり、最後はさようならでまとめる様に考えています。
ストーリーそのものは多くの展開方法があり、アーティストごとにどの様なストーリー展開にするかスタイルがちがうので、その詳細はここでは触れません。
アドリブソロを取る際に、「こう弾きたい」というフレーズをイメージして反射的に演奏できる様にするのと同時に、「この様なストーリー展開で盛り上げてソロを終了させたい」というゴールを見据える事が必要です。
もちろん、その想定したゴールへの道筋通りにストーリーが展開されるかはわかりません。
他のプレイヤーの意思もそこに加わるからです。
というわけでソロの中のかっこいいと思うフレーズばかりを集めるのではなくソロ全編を通して採譜する事でフレーズだけではなく、ストーリー展開のアイデアも取り入れる事が出来ます。
ストーリー全編を採譜するためには、最初から長いソロを採譜しようと思っても大変です。このブログで少しずつ解説しているMIKE STERNの伝説的なソロなど弾き倒しまくった音符の嵐が5ページ以上続きます。笑
そのブログページへのリンク
初心者の頃はコンパクトなソロで自分がかっこいいなあと思うものをどんどん採譜して練習するように生徒には伝えています。
ストーリー展開がわかりやすく、リズムがカッチリ演奏されているコンパクトなソロがおすすめです。
専門学校のストーリー展開系の担当クラスではCARL VERHEYENというギタリストやZAWINUL SYNDICATEでのSCOTT HENDERSONというギタリストのソロをみんなで研究してます。
CARL VERHEYENはロサンゼルス系スタジオミュージシャンであり、多くのアルバムをリリースしているアーティストでもあります。
長尺なソロよりどちらかというと短くコンパクトなソロの中で彼の持ち味であるぶっ飛んだフレージングが生きてくるように感じます。
SCOTT HENDERSONはCHICK COREAやJOE ZAWINULと共演しながら、自己のバンド「TRIBAL TECH」で数多くのアルバムをリリースしています。
I「LLICIT」や「REALITY CHECK」はロックテイストも強くジャズフュージョンを聴いてみたいなあというジャズフュージョン初心者にもおすすめのアルバムです。
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